ガスの中から 〜鹿島槍ヶ岳2017/8/30~8/31〜

インターネットで天気予報のサイトを検索する。
明日からの天気は全国的に下り坂。当初の予定であった鹿島槍をそのまま登るか、別の山に行くか。
変更して晴れても悔いが残る。当初の予定通り、僕らは鹿島槍ケ岳登山を決行した。

やや遅れての22時30分頃出発。登山口までやや遠いが途中の佐久平PAで仮眠をとることにする。
早朝、鹿島槍ケ岳の登山口である扇沢に到着。
ラッキーな事に数台しか止められない登山口近くの駐車場が空いていた。
天気が良くないせいだろうか。
迷わず車を止める。
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僕のブログ、「ハマピーク」も立ち上げてからもうすぐ8年。
最近、なんだか腰が重くて更新が滞っている。
今回の登山で何かきっかけがつかめればという気持ちで、僕は湿った登山を歩き始めた。
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今回、僕等がこの山をら登る決め手となったのは他にも大きな理由がある。
大学の時に知り合って以来、20年以上の付き合いのある友人と登山を楽しむことが多いのだが、
その彼が見つけたサイトの天気予報が晴れる可能性を示していたからだ。
さて、結果はどうなるのだろうか。

少し登ると視界が開けてきた。針ノ木雪渓だろうか。
濃霧の合間から鋭い白さを突き刺してくる。
涼しげな登山道をゆっくりとしたペースで登っていく。
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意外にも天気は安定している。時折顔を出す太陽が眩しいくらいだ。
柏原新道を3時間半程歩くと視界に淡い黄色をした小屋が飛びこんできた。
種池山荘だ。
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行く先にはどっしりと構える爺ヶ岳。
僕等は外にあるテーブルに腰掛けおにぎりを頬張りながら地図を広げる。
いつもよりもゆっくり気味に歩いてきたが、ここまでコースタイムを上回っている。
今更なのだかゆっくりペースで歩く方が休憩が少ない分、疲労感が少ないようだ。

ダラダラとした爺ヶ岳の登りに入った。山頂は視界に捉えている。
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爺ヶ岳山頂は数名の登山者で賑わいを見せていた。
鹿島槍の姿はガスの中。
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爺ヶ岳には2回目の訪問になる。
時間に余裕があるので前回登れなかった爺ヶ岳中峰を登ってみよう。
ほんの僅かの登りだが、登り返しのためなかなかキツイ。
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中峰を下り冷池山荘までは、稜線散歩。涼しい風が心地よい。
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冷池山荘に着き、ベンチに腰掛ける。静けさの中、小屋の方から声が聞こえる。
スタッフらしき男性が手にスイカを持って「よかったらどうぞ。」と話しかけてきた。
疲れた身体にこのみずみずしさは格別だ。

冷池山荘のテント場は小屋から10分程登ったところにある。
小屋でポカリと水を買い、僕等はテント場へ向かう。

テント場には一張りのテントのみ。
しばらくしてソロの登山者二人がやってきただけ。
小屋のスタッフが嘆いてたとおり、今年は天候が安定しないためお客さんが少ないようだ。
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テントを張り、まったりと時を過ごす。
そろそろご飯の準備にとりかかろう。
ご飯といっても、お湯をかけるだけのフリーズドライ。
昔と違って味は格段に向上しており侮れない。
陽が傾き剱岳の奥へと沈んでいく。
天候が不安定だからこそ、絶景に出会えた時の感動はひとしおだ。
夕日が沈むと一気に冷えてきた。
ウルトラライトを極めるため、シュラフカバーで眠れるか試してみるが、
寒すぎてわずか5分足らずで根をあげてしまった。
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テントの揺れる音を遠くに聞きながら目を覚ます。
外を除くも空はまだ真っ暗闇だ。
星が見えないので、上空は雲に覆われているのだろう。
友人がスマホを取り出し、例のサイトで天気予報をチェックする。
もしかすると8時前後にチャンスがあるかもしれない。

軽く朝食を済ませ、5時にアタックザックで出発。
山頂までのコースタイムはおよそ2時間といったところ。
荷物が軽いので短縮できるだろう。

霧の中を山頂目指して進んでいく。
行先には布引山のシルエットが神秘的に浮かび上がる。
ゆっくり歩いているつもりだが荷物が軽いのでコースタイムを楽々と短縮できる。
やはり僕等の進むべき登山スタイルはウルトラライトだ。
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布引山の山頂を通過し、順調に高度を稼いでいく。
目指す鹿島槍の姿はガスの中。
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山頂直下で昨日スイカをくれた冷池山荘のスタッフと出会う。
どうやら登山道の整備のために朝早くから登ってきたらしい。
「あと少しですよ。」と励ましの言葉をかけてくれた。

無事、鹿島槍の山頂に到着した。
しばらく腰を下ろし天候の行く末を見守る。
一瞬太陽が差すも、淡い期待は裏切られ、山頂は真っ白いガスで覆われてしまった。
鹿島槍ヶ岳には南峰と北峰がある。
仕方なく北峰へと歩を進めよう。
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北峰への道はこれまでの様相とは別世界になっていた。
急峻な岩場の道が目の前に現れる。
一寸先は闇とはまさにこのことか。
ガスで視界が遮られどこに北峰があるのかわからない。
行くか否か、心の準備が整わない。そんな時に前方から一人の登山者が見えてきた。
尋ねると、方向もあっており北峰までの道はそれほど険しくないとのこと。
やはりこういう時は熟達者の言葉に頼るのが一番だ。

8時、僕等は山頂に到着し、奇跡的に絶景を目にすることになる。
遠くにはこの前登った薬師岳まで見えている。
これもすべてはスーパーコンピュータではじき出した天気予報サイトのおかげだ。
北峰の山頂で白髪の登山者に出会う。白馬から歩いてきたらしい。
リタイア後の夢が広がる。
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北峰を後にし、来た道を戻る。背後には、行きには見えなかった北峰の姿。
迷いようがないな。
ウルトラライトのためコースタイムを大幅に短縮してテント場へ戻って来た。
残りのフリーズドライで昼食を済ませ下山開始。
剱岳を横切るように筋雲が真一文字に伸びていた。
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きつい爺ヶ岳の稜線を越え種池山荘へ到着。雨がぱらつき始めた。
ガス、雲、夕陽、御来光、絶景、雨。
蓋を開けてみれば山登りの全てを感じることができた旅になった。
念のためポカリを購入し、僕等はパラパラと雨が降りはじめた柏原新道を急ぎ早に下山しはじめた。